2021年3月13日土曜日

ヘレディタリー 継承(2018年アメリカ)

 

悪魔魔女もの、グロありの映画、といったところだろうか。

娘は13歳と言う設定だが、幼いあどけなさと同時に、角度によっておばさん(特殊効果メイク?)のように見える個性的な風貌の子で、口の中を「コッ。コッ。」と鳴らしながら祖母の葬儀でもスケッチブックを開いて似顔絵を書いていたり、同じく式の最中にチョコレートを取り出してむしゃむしゃ食べたりと、変人なのか発達障害なのか、非常に考えてしまう奇行ぶりであり、異様な存在感となっている。

母との確執によって情緒不安定に育ってしまったと思われる母親。ミニチュアアートを趣味兼仕事にしているようで、自分の家族や家までも再現している。あとから娘の事故現場まで再現してしまうところには異常性すら感じさせた。

また、娘のお兄ちゃんである長男だが、浅黒い肌、黒い瞳と黒い髪を持ち、顔つきからして人種がアラブ系もしくはラテン系に見える。 この白人のお母さんが生んだ、という設定になっているのだが、映画には出てこないお父さんとのハーフだったということにしても、金髪碧眼系の白人の血の混じった感がなさすぎて、人種的な面から本当の息子だという感じがかなり薄まってしまっている。


娘の事故死(柱に激突して胴から離れてしまった首まで描写されており、かなりショッキングだった。)によって話は急展開し、娘のための降霊術を教わるという名目で母親がだまされ、悪魔崇拝をするように仕向けられてしまった。数々の奇妙な現象、不気味な超常現象が家族を襲う。

(後記:設定がやや細かかったので、二回目に簡単に観たところ、妹のチャーリー(女の子なのに変わった名前である)が学校の植え込みの上で死んでいるハトの首をハサミで切り取るシーンや、事故現場となる電柱に呪文のようなものが書かれていたことから、魔女がすでにチャーリーの肉体を滅ぼすための伏線をしいて、誘導していたのか、と推測した。(あとから兄の肉体に魂を移すため)

また、母親は、父親が焼け死んだあたりで死亡、もしくは妖怪に変化してしまった模様。終盤、兄が部屋にいるシーンで、背後の天井に張り付いていたかと思ったら、一瞬で姿を消してしまったり、天井にへばりついて頭をすごいスピードでガンガンガン!と打ち付け、屋根裏部屋に逃げる兄を追いかけたりと、到底人間のできる仕業ではないことをしていたこと、最後の登場場面では、首をつったまま、自らの首をノコギリ?でひいて血をしたたらせている、という恐ろしい姿を現した。

まさにサイコパスな、狂った感じが良く出ている映画であると思う。)