2022年8月9日火曜日

パラサイト(1999年アメリカ)

 いわゆる「半地下の家族」のほうではなく、SFスリラー系映画である。




外宇宙からやってきた未知の生物が、ある田舎にある高校で、教員や生徒たちをターゲットに寄生し、意思も体ものっとっていくという話。

グロテスクな生き物で、赤い触手を伸ばすところも気持ち悪いが、エイリアンの親玉である女の子が、「私たちが世界を乗っ取れば、いじめや差別や偏見もなく、苦しみもなくみんなが平和に暮らしていける」と話していた。が、攻撃的で繁殖力旺盛なので、資源を枯渇させた挙句、仲間の共食いを始める可能性もありえなくない。

乗っ取りを企てる異星人の話はどこまで信用できるかわからないが、真実ならば(映画の中で)ある意味それはそれでいいのだろうか??と、ふと考えたりもしてしまった。


2022年8月8日月曜日

ジュラシックワールド/新たなる支配者 を観てきました

 

毎回、シリーズとなっているこの作品は欠かさず劇場に観に行っている。

 ジュラシックパークとして、一作目が初めて1997年に日本で封切りとなった当初からのメインメンバー(ローラ・ダーン、サム・ニール、ジェフ・ゴールドブラム演じる科学者たち)が登場して活躍する。それぞれ年齢を重ねてはいるものの、良い感じで深みを増している感じがあり、ゴールドブラムさんは渋いおじさま、といったところだろうか。

 クレアとオーウェンがかくまい育てている一人娘でクローン人間のメイジー。彼女があるとき、ドクタールイスという研究者が黒幕となっているのだが誘拐され、施設に連れ去られていく。それをクレア、オーウェンが助けに行き、かつて主人公を演じた科学者たちもお化けイナゴから環境破壊を心配して研究所に忍び込むところと合流し、囚われた娘を助けながらも施設が火炎イナゴに破壊されたり、恐竜保護区の中の恐竜に襲われるなどして、物語が進んでいく。

 恐竜研究者がお金や自分のための名声だけを気にして、生態系の維持や、地球の存続は完全に無視している、という悪党ぶりが描かれている。最後には、第一作でたしかネドリーという、やはりお金に目がくらんで卵を盗み出した悪党がやられたように、悪のルイス博士も不気味なエリマキ泥吐きトカゲ(ディロフォサウルス)に襲われて死んでしまうようであった。

ネドリーが襲われる図のフィギュアの画像。かなり有名なワンシーンになっているようだが、ディロフォサウルスの凶悪で恐ろしい顔が印象的である。


2022年7月30日土曜日

私が見た未来・オリジナル版を読みました

 



表紙には有名な、「大災害は2011年3月」と記したものがあり、東日本大震災を予言したものだとされている。(1999年初版発行。作者は他にも世界的有名人の死も予知している。)
いわゆる復刻版でもある「完全版」と違い、目から涙を流している。そして内容は、途中までの掲載されているマンガが違うようである。復刻版が出るまでは、この旧版は、10万円もの高値がつけられて売られていた。(絶版のようである)


以下、簡単なあらすじを載せておく。

1.磁場
姉が婚約者と同居中のマンションで、霊の気配を感じた作者たち。霊感が強い人に見てもらうことになり、簡単なお祓いもやってもらった。悩みなどを抱えていると霊に取りつかれやすいという話を聞いたのちに、ふっ切れて婚約を解消することにした姉。が、新たに向かった新天地で、幸運にも運命の相手と結ばれる。

2.伝えられたメッセージ
海外に住む友人の別荘や住まいで起きた、心霊現象。視線を感じて目を開けると、じっと自分を見下ろす顔。塩を部屋の入り口にまいたところ、その日以降入ってこなくなった。別宅では、亡くなった知人のお母さんが、女性を知人の奥さん(彼女?)と勘違いして現れ、メッセージを託して行った。

3.霊がいっぱい
霊感の強い人と一緒にいると、普段は見えていないものが見えたりすることがあるという。山登りですれ違うカップル、気を付けてと声かけしてくれたおじいさん、うずくまるおばあさん、夜道を照らしてきた二つの懐中電灯の光、と山小屋の管理人さんが話してくれた話の幽霊たちと、ことごとく遭遇してしまった主人公たち。

4.彷徨う霊たちの話
亡くなった後も、仕事の休憩時間にそうしていたようにトイレに出没する女性の霊。三途の川を渡ろうとしたら、血まみれで体がズタズタになった女の子がそばを通り過ぎて、ふと我に返って息を吹き返した人、霊安室にカマを置く風習を無視したら、何かにとりつかれて踊りを踊りだした遺体、マンションの地縛霊にとりつかれた男性、など、さまざま霊に関する体験話。

5.夢の跡
亡くなった劇団員たちの話。演劇への情熱、将来の夢半ばであの世へ旅立たねばならなかった人たちの思いは消えず、鏡の前、舞台、客席、演劇中の劇団員の背後、果ては大道具の棺桶の中にまで出現して演劇に参加する(重さもずっしり重くなったそうである)、という話。

6.白い手
古い家具、人形にとりついた霊。それを知らずに入手して家に置いた結果、家の中でミシミシと人の歩く音、異音や人影、幽霊の姿を目にした話。

7.私が見た未来
夢日記をつけていたら、事実として後から本当にその内容と同じ出来事が起こった。事件で亡くなった人、有名人の話、津波の話。だが、ここでの津波の話は、3・11(2011.3.11東日本大震災)のものではなく、2025年7月のものだという。(後年の復刻版の話より)

8.縁の先
守護霊の話や、前世の話。






2022年7月20日水曜日

アンドロン(2015年)

 


メイズ・ランナー、ハンガーゲームという映画もあるが、系統としては同じ感じで、支配者によって設定された建造物の中をさまよい、途中でいろいろな敵や妨害が生じる中を生きて外に出るためにサバイバルゲーム参加者が必死に戦う話。

アレック・ボールドウィンは、機関車トーマスの「車掌さん」を演じ、それを垣間見た記憶があり、温和なおじさん、といったイメージがあるが、ここでは支配者側の悪役を演じている。レオ・ハワードは、以前ドラマDVDで「フリーキッシュ」というのをレンタルしたことがあるが、そちらに出演していた。カンフーが得意というプロフィールがあるようである。

2022年7月18日月曜日

バタフライ・エフェクト

 

何度も過去に戻ってやり直すも、ことごとくバッドエンドとなる展開。


 子供のころから記憶を良くなくすという経験のある主人公は、日記をつけるということを日課にした。その日記を見つめていると、周りの風景が揺れだして過去に戻れるのだが、行動を意図した選択でやりなおせるということに気づいた。ところが、良かれと思って行動をとった結果、現実に戻ると、主人公や、他の人が不幸になっているという結末となっている。

 だが、最愛の彼女をどうしても救いたいと考え、とうとう主人公がたどり着いた結論は、彼女に自分が恋愛の相手にならないような言動をとることであった。

 主人公はイケメンだなあ、と思ってみていたら、有名なアシュトン・カッチャーだったようであるが、見る映画の傾向としてあまり見かけないため、名前だけの認識となっていたようであった。甘いマスクながらも時折見せる、真剣な面持ちがこの人の魅力なのではないか、と思った。

2022年7月14日木曜日

楽園追放(2014年 日本)アニメ映画

 

未来の地球。人類の多くは荒廃した地上を捨て、電脳世界ディーヴァで暮らすようになっていた。現実でも今、内閣府によって「ムーンショットとは人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会の実現」と、定義されているが・・。

人類の98%が移住しているといわれている「楽園」ディーヴァ。社会に貢献する程度によって、与えられるメモリの高低が区分され、生活の快適性に格差が生じているようである。

電脳世界の外に暮らす人も少数おり、100年以上前から誕生したAIもいて、進化を続けて人格を獲得したようであった。そのAIは、自分らしく生きることを存在理由としてあげ、電脳化する人々と逆を行く、対局的な存在であった。そして彼は、果てしない宇宙へ旅立つことを計画し、それを決行するのであった。

 キャラクターの絵柄はいかにもオタが好みそうなデザインの少女に、パートナーはヒゲを生やしたちょい悪おやじ風優男、といった感じで、はっきり言って好みではなかった。が、動画サイトでだったか、人々がやがて暮らすことを仮定した世界ではないかと言われるものの想像が描かれているようだったので、参考になるかはわからないが、垣間見てみようと思ったわけである。

 電脳ディーヴァは、完全に支配者によって管理され、実績を積むことでよりその中での生活が充実するというものだが、いったん反抗的だとみなされると、市民権をはく奪されて檻のようなところに収監されるという怖いところでもあった。歯向かわなければ安全な暮らしが待っているといえども、それすら支配者の意向によってどうにでも決められてしまうのは恐ろしい。

 一方、荒廃した現実世界の中で暮らす人たちは、物々交換もあったりと原始的で、こちらは生活力がないと即、死んでしまうような場所であったが、音楽があったり、食べ物の味があったり、人間らしいといえば人間らしい暮らしがあり、それを求める人たちが選ぶ場所なのだろうか。物質に縛られすぎても生きることが苦しくなりそうで、表面だけ見ていると、ディーヴァとどちらがいいのかわからない。

 そして第三の道が、AIが計画していた宇宙への冒険であった。宇宙船はいわゆる閉鎖空間であり、何かが嫌になっても外に逃げられない。そして、安全にどこかの地に着陸できるとも限らない。少なくとも宇宙船の内部がどのようになっていて、水・食糧・空気が確保され、運動スペースもあり、重力もできればあって、退屈もしのげるのか、したくはないが最悪安楽死もできるようにするなどはっきりしないと、乗り込む気になれない。

 この映画の中でどれを選択するかは、見ている人によるだろうが、現実世界で暮らしている以上、一番今のところ、現実世界への安心感はある。



2022年7月13日水曜日

パラドクス(2014年 メキシコ)

 

時間ループものの映画もあるが、こちらはある空間に閉じ込められて出られなくなるという話。

閉鎖空間はここでは4通り描かれるが、主に二つの空間が取り上げられている。

一つは、エレベーターの裏の階段の回廊。1~9階まであるが、その上下はやはり、同じ1~9階の空間が延々と続くだけである。警官と兄弟(兄は警官に撃たれた傷が元で間もなく死亡)がそこから出られなくなり、水と食料だけは無尽蔵に出現するため、35年間もそこでそのまま生きている。

もう一つは、母と継父、兄妹で旅行に出かけるが、ある区間がループして、そこから出られなくなる。(妹は、継父からもらったジュースのアレルギーで喘息の発作がひどくなり、やがて死亡。)こちらもガソリンスタンドから無尽蔵に水と食料が湧き出るため、飢えることなく35年間暮らし続けた。

その後、年老いた警官、年老いた継父が死ぬが、「エレベーターに乗るな」「パトカーに乗るな」と警告を発していた。

が、それを無視して回廊からエレベーターに乗った弟、彼は、そこに置いてあった制服を着ることでエレベーターボーイとなるが、ホテルの廊下という閉鎖空間へ迷い込む。

一方、パトカーを発見して乗り込んだ兄は、おいてあった服装に着替え、ひげをそり、警官に成り代わって回廊に迷い込むルートをとるのだった。

警告の意味はなく、そもそも彼らがそういう役割使命をもった、そういう存在なのかもしれない。というのは、話の中で、現実の世界の彼らもまたいて、そちらは幸福な暮らしを送っているが、彼らのために、自分たちはこのような生涯を送るのだ、という会話があったからである。

一つの考察だが、現実世界のために犠牲になる、というのはわからないが、パラレルワールドというとらえ方もあるかもしれない。同じ自分だが、無数の空間の中に無数にいて、それぞれが異なった状況の中にいる、という話もあるわけで、そのパラレルワールドの一つの話、ともとらえられる気はする。

が、映画の焦点としては、ループする空間に閉じ込められた絶望感がよく描かれているため、地獄だなあと感じられるのである。

時空系怪談というのもあり、とても近いまっすぐな道で、すぐに着くはずなのに、なぜかいつまでも到着しない、という話もある。きつねに化かされたとも言われるが、これはちょっと一服するなど気分転換をすると、その状態から解けるというのが一般的な話なので、こちらの映画よりは絶望感が少ない。